エクスペリエンス

管理人が気に入っているゲームやら書籍について徒然と語っていく予定。まあ、一応他所と差異をつけられるようにしたいなぁ、と。独断と偏見がエッセンス。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

更新期間、短縮しなきゃ・・・
俺達がロンドン市内の蟻どもを掃討して翌日。
式典のため結集していたEDFは市内各地で分断され、精鋭であるはずのペイルウィング隊も戦闘経験の不足のため壊滅的な打撃を受けた。
俺達は橋の防衛後も8時間近く市内を転戦し、ようやく一段落ついたのでEDFロンドン支部で仮眠を取り、今に至る。
「あー、眠いし、筋肉痛が・・・。考えたらずっと座りっぱなしの状態から寒中水泳にアリンコ共とフォークダンスだもんなぁ」
それに加えて、最近の運動不足も災いした。あっちこっちにお呼ばれするたびに美味い飯にありつけるもんだから、オナカの方も出っ張り気味だし・・。
そんなことを考えながら食堂に向かい、紅茶を貰う。ミルク二つにシュガースティックを3本連続投入。
周囲の英国隊員から侮蔑の視線と嘆きの嗚咽を浴びたが、気にしないことにする。カロリーを取れるときに取らない奴は砂糖の代わりに酸の雨を浴びるだけだ。
テレビでは昨夜の戦闘の様子を流していた。前大戦の初期は報道規制やらで市民に甚大な被害が出たが、今はある程度キチンと戦闘の情報は流れる。リポーターやコメンテーターが何を言っているのかはさっぱり解らないがEDFの対応を非難しているのは耳が拾う単語からなんとなくわかる。
「のんびり紅茶すすってTV見てる場合じゃないですよ。僕らは昼の便で日本に戻ることになりましたから。」
相川が隣に立って、呆れたように俺を見下ろしている。どうも戦後になってから、この表情しか見ていないような気がする。
「帰るのか。こっちはどうするんだ?日本にはまだ蟻ども、出現していないんだろ?またマザーシップが来たわけじゃないし、こっちに協力してもいいじゃないか」
相川は声を少し低くして、返した。
「わかりませんか?英国には英国の英雄が必要なんです。いつか帰国する英雄に心惹かれた国民をどうします。それに、どうも本格的な侵略がもう一度あると半ば確信している節がありまして。一刻も早く戻ってこいと」
はーん、と気の無い返事をすると、カップの底の砂糖をティースプーンですくって口に運ぶ。
「おいち☆」
次の瞬間、相川の形相が般若そのものになったため慌てて咳払い一つ。久しぶりに見た呆れ顔以外の表情が般若とは・・・。
「あー、すぐに空港に向かうのかな?」
「・・・いえ、2時間ほど余裕がありますが」
「んじゃ、少し外を散歩してくる」
そう言って席を立ち、ふらふらとエントランスに向かう山城に、慌てて相川が声をかける。
「ちょっと!山城さん英語できないでしょ!?装備のマニュアルも僕が読んでいるくらいなのに!道に迷ったら困るので部屋で大人しくして居てください!」
「あのなー、俺だってタクシーを使う知恵くらいあるぞ?」
「市内のあちこちで道が寸断されています。まともに営業しているとは思えません」
さいですか。
「なら、私が連れて行ってあげる。丁度ショッピングもしたかったしね。」
そう言って近づいてきたのは昨日、俺を飛行機から引きずり出した女だ・・・と思う。素顔は結局見ていないので確証は無いが。
「それなら安心ですね。時間までに戻ってきて下さいよ。」
そう言って相川は席を立って行ってしまった。彼女が誰だか知らないが、随分と信用しているらしい。

「で、お前さんは誰なんだ?」
支部を出てしばし、昨日の難を逃れたアーケードを歩きながら尋ねる。
年は18、9といった所か。予想通り若い。日本人には珍しい、柔らかな栗色の髪(恐らく染めていないだろう)を背の中ほどまでのばし、口元に涼しげな笑みを浮かべてショーウィンドウを流し見ている。
「ん~、英雄さんみたいに名乗る程の名前では無いよ。私の事より、貴方のことが知りたいかな」
「俺のこと?それこそ話すことなんて無いよ。せめて名前くらい教えて欲しいんだがな」
どうもはぐらかされたようだ。詮索する気は無いが、名前くらいは良いだろう。
「そうだなぁ。んじゃ、ペイルウィングのペイ子ちゃんて呼んでね」
何故そうなる。
その後、二軒程のブティックを冷やかしてから支部に戻り、職員に頼んで空港まで車を出してもらった。蟻酸(ぎさん)で穴だらけになったアスファルトの上を走るのはお世辞にも乗り心地は良くなかったが、文句を言える立場でもない。
「そういえば、まだ山城さんの武勇伝を聞いてなかった。マザーシップを撃墜した時のお話とか聞かせて欲しいな。」
車内で唐突に彼女はそう切り出してきた。今まで取材やらで、それこそ100回は軽く超える回数聞かされた台詞だ。報告書を除いて、いつもはカンペを棒読みしたり、適当に誤魔化したりで済ませてきたが、今日は少し気分が良かったので少し話すことにした。
なにしろ、最近は自由な時間など殆ど無く、唯一の楽しみが開発された兵器類のテストのみ。まあ、それ以外は大抵の我侭は通ってきたし、いつの間にか付き人扱いになってしまった相川の境遇に比べればマシなので文句を言うのも気が引けたのだが。
こうして気軽に誰かと会話を楽しむなんていうのは大戦が終わってからは久しく無かった事なのだ。それが女性で、戦友となればなおさら。気も軽くなるというものだ。
「運が良かった、かな」
「それだけ?」
「一番大きかったのが、さ。奴のシールドは大気圏内では使えないらしいが、装甲だけでも核兵器の直撃に耐えるくらいだ。勝てるはずは無かったんだよ。」
「でも、勝った。」
「そう。包囲された俺達の頭上に奴が現れて、多分ジェノサイドキャノンで一気にケリをつけるつもりだったんだろうな。その前に中央ハッチから艦載機を発進させたんだが、俺達の一人が放った銃弾の一発がソコに飛び込んで・・」
「大爆発?」
ペイ子は子供の様にに身を乗り出して聞いている。思ったよりも子供っぽいところがあるんだろうか?
「爆発したら俺達もその場でお陀仏だろうが・・。単にハッチの開閉装置が故障して、閉じなくなっただけ。俺達はそこから内部に集中攻撃をかけると、奴の高度が下がってきて、あとは無我夢中で弾を叩き込んでお終い。言うほど楽では無かったけどね。ハッチが開けっ放しのせいかジェノサイドキャノンは撃たなかったが、他の砲台やUFOの猛攻はあったし。」
「ふーん。で、他の隊員の事とか聞きたいんだけ・・・」
と言ったところで空港に到着した。
「続きは機内でだな。どうせ時間はたっぷりある。」
なにやら不満そうにボストンバッグを肩に担ぐペイ子。
空港内は幾つかの区画が閉鎖されたままのようだが、今のところ混乱は無いようだ。まあ、よそが安全なわけじゃないのを分かっているからだろう。
職員から荷物を受け取り、礼を言って相川との待ち合わせ場所の搭乗ロビーに向かう。
だが、そこに居たのは相川だけではなかった。
身長195の長身である相川の隣に、ちび狸みたいな体躯のおっさんがいる。背丈は小さいが、態度は相川の三倍は大きい。我らがEDF日本支部の情報局長、磯部氏だ。
「時間通りですね。間もなく出発ですので、お二人とも搭乗口へ」
微妙に引きつった笑顔のまま相川が二人を案内しようとする。磯部はEDF内部の情報部門を統括する責任者であり、大抵の組織と同じく実行部隊とは仲が悪い。特に彼は性格的にも多々問題があり・・・まあ嫌な奴だ。
「ちょっと!君等が何故一緒にいるんだ!ほら、こっちに来なさい!」
狸が真っ赤な顔でペイ子を引っ張って行く。あ~、とかう~、とかうめきながら、こっちに視線を向けて僅かに抵抗を試みるが、結局連れて行かれた。
「ふむ。親子だとか?」
「いえ、流石にそれは無いでしょう・・。ペイルウィング隊は元々英国で発案された部隊で、日本では磯部氏が音頭をとって設立されましたから彼女と知り合いであってもおかしくないと思いますが」

手配された飛行機はVIP専用機で居心地は良かったが、ペイ子と磯辺は離れた位置に座り、磯部が近づいてくんなオーラを発していたため結局日本につく間中会話する機会は無かった。
「彼女と話せないのは残念ですか?」
相川は添乗員から貰ってきたコーヒーを渡しながら隣の席に着く。
「少しな。磯辺のおっさん、あんなに毛嫌いしなくても良いのにな。俺は別にもう大戦時のことは恨んで無いし、ペイルウィング隊のこととか少し聞いてみたかったのに」
前大戦時、磯辺の指揮下で戦っていた俺達の隊は何度も奴のミスで死ぬ思いをしてきた。挟み撃ちに待ち伏せ、生きているのが不思議なほどだったし、仲間もそのせいで沢山失った。だが、地球人同士で戦うならともかくエイリアンと戦うのに確かな知識を奴は学ばなかったろう。
当時は恨んだが、俺が一番信頼していた人が弁護していたから能無しでは無い のだろう。士官学校では優秀だったそうだし、適応力を少し欠いていただけだと今は思う。その証拠に少なくとも俺と相川は生き残ったし、他のEDF陸戦部隊は機甲師団も含めてほとんどが全滅しているのだ。
奴の指揮下で戦うことを幸運だとは思わなかったが、不運でも無かった。それだけだ。
「ペイルウィング隊のことを聞くのは止した方が良いでしょう。先日の戦いでの隊員の死者は半数以上、重軽傷者は8割にのぼるそうですから」
長い訓練と高価な装備も、無駄になってしまったな。
そのわりにペイ子の戦いぶりは堂に入っていたが、彼女も前大戦を戦い抜いたのだろうか?
そんなことを考えながら、窓の外を眺め、ゆっくりと浅い夢を見始めた。



「まったく、この人は・・。せっかくお膳立てしたのに、磯辺に喧嘩売ってでも同席するくらいの根性は見せて欲しかったですね」
相川は小さな声で呟きながら山城の膝に毛布をかけ、自分のPCで報告書を作り始めた。
スポンサーサイト
  1. 2006/07/02(日) 12:56:25|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<3 | ホーム | 地球防衛軍~THE・SIMPLE~>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://orfanusblue.blog17.fc2.com/tb.php/5-b680fb27

オルファヌス

04 | 2017/05 | 06
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

Search

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。